2019年02月13日

色彩の心理的効果を知っておく。

赤系は暖かく、青系は寒い感じがする、というくらいは、あなたもご存じだろうが、店の内装を考える時に重要な要素となってくるで、最小限のことは勉強しておいた方が良い。

内装業者やデザイナーに任せるから大丈夫だ、と思うのはやめた方がいい。よほど著名なデザイナーで信頼できるという方に依頼するなら安心だろうが、個人が頼めるような金額ではない。ほとんどの場合、地元の会社に依頼するのではないか。

その時は、その会社の実績を調べることも大切だが、色の勉強をして、業者が手を抜けない雰囲気を作っておくことも大切である。業者で色彩の使い方まで考えているところは少ないかもしれない。

また、流行の内装に惑わされてはいけない。自分の扱う商品とのバランスを第一に考えて欲しい。主役はあくまで商品。商品が一番美しく見える内装でなければならない。まわりの色によって、商品が引き立ったり、目立たなくなったりする。

さらに、店の入りやすさや居心地にも影響する。たとえば、奥行きのある店の壁の色を赤系にすると、
奥深さがなくなり、入りやすくなる。

逆に奥行きのない店なら、青系にすると広々とした印象になる。これは、色が人間の心理にさまざまな影響を与えることからきている。色にはそれぞれイメージがあり、ほとんどの人が同じような印象を持つ。

すなわち、言葉は悪いのだが、色を操ることができれば、客の心理を操ることもできるのである。

色彩のイメージを少し紹介すると……

赤:暖かさ・情熱・勇気・活動的・炎
青:冷たさ・クール・冷静・水
黄:陽気・喜び・開放感・親しみ・活発
緑:自然・新鮮・安全・やすらぎ
白:純粋・清潔・清らか・平和
黒:夜・悪・罪・高貴

代表的な色の心理効果を書いたが、“なるほど”と思わないか。単に壁の色だけであったとしても、こういう印象を客が持ってしまうとしたら、主役である商品に与える影響がどれほど大きなものかがわかる。それだけ、慎重に考えなければならない要素なのである。

また、地域や季節、業種・業態、世代などによっても、色の使い方を分ける必要がある。

●北海道の方は明るい色を好むが、九州の方はそうでもない。

●店には、季節の演出が欠かせない。壁を塗り替えることはできないので、タペストリーや布、小物などの演出によって、季節感を出す。

●薬局などでは、やはり清潔感のある白や青を使う。また、暖かいレンガ色なども好まれる。

●若い世代は比較的寒色系を好むが、中高年以上は暖色系を好む。

では、どうすれば色彩のことが学べるのか。

最近は、カラーコーディネイトという考え方が一般の人にも広がり、講座なども開催されている。また、書店のデザイン関連の書籍コーナーへ行けば、「カラー配色事典」や「色彩ブック」などというタイトルの本がある。

プロ向けの本だが、それほど高いものではないので、一冊買って勉強しよう。色の特長はもちろん、色の組み合わせによる効果なども詳しく書かれている。女性には、ファッションの参考にもなる。

主役である商品をもっと美しく、もっと華やかに見せるのは、舞台監督であるあなたの仕事。人任せにせず、こだわってみよう。

posted by 佐藤きよあき at 10:05| Comment(0) | マーケティング裏読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月06日

商品に主張させるディスプレイ。

ディスプレイ。商品陳列・演出のことである。店の雰囲気づくりと同じくらい、いやそれ以上に大切な要素だと言える。いくら良い商品、安い商品であっても、客に気に入ってもらうことができなければ、購買には繋がらない。

気に入ってもらう。つまり、客と商品の「お見合い」なのである。店は、その仲人をつつがなく勤めることに全力をあげなければならない。

商品の美しさ、品質の良さなど、その商品が持っている魅力を最大限に引き出し、客に紹介してあげるのである。“この商品を見逃したら、後はないな”と思わせるくらいにアピールするのである。これが、ディスプレイの基本。

では、具体的に何をするのか。

まず第一に大切なのが、「フェイシング」といわれる原則。商品の顔(フェイス)をしっかりと見せて陳列することである。

商品には、必ず顔がある。もっとも魅力的に見える部分。パッケージやラベルのある商品なら、言わずともその部分が顔である。

服などでは、デザインやシルエットを美しく見せるために、マネキンに着させる方が良いのか、それとも、ハンガーにかけたまま、壁に吊す方が良いのかを考える必要がある。これは、顔の見せ方。

また、商品によっては、いろんな角度から見せた方が魅力が伝わるという場合には、2個3個と角度を変えて陳列する。

さらに、違う商品と組み合わせた方が特長がよくわかるという場合もある。これなどは、セット販売の可能性も出てくる。

フェイシングには、「前進陳列」という方法もある。スーパーで行なわれる方法で、棚の前から奥に向かって商品を並べるものである。常に一番前に商品が来て、顔を見せている。ここで注意しなければならないのは、奥がガラガラの状態になること。いまにも潰れそうなスーパーでは、この傾向がハッキリと見られる。

商品の仕入れを抑えようとするために、こうなる。1つ2つの商品だけなら目立たないが、すべての商品がこれでは、売れていないのがバレてしまう。すると悪循環で、客の足も遠のく。

私は以前、スーパーでアルバイトをしていたことがあるが、「少なくなった商品はなかなか売れない」ということを実感した。常にいっぱいの状態の方が売れやすいのである。

スーパーじゃなくても同じこと。これは、客の心理である。少なくなっているのを見て、“売れているから無い”とは思ってもらえない。いまの客はよく知っている。店があまり発注していないことを。現に私も発注業務をしていたのだが、売れない商品は発注を抑えていた。これは、店の指示なのである。

売れない商品の発注を抑えるくらいならいいのだが、私が気になっていたのは、棚卸し前の発注は極力抑えろ、と言われることである。

棚卸しは面倒で、時間もかかるもの。だからといって、商品を少なくするなんて、客に迷惑がかかる。目的の商品が無くなっていたら、別の店へ行ってしまう。客は、もう戻って来ないかもしれない。

従業員の手間より、客への役立ち精神を大切にすべきである。でないと、このスーパーはいずれ潰れてしまう。(後に潰れてしまったが)。

次に、「立体感・躍動感の演出」というものがある。ただ商品を並べるだけではなく、変化を持たせて、客の目を惹きつけるのである。

こまごましたモノなら、陳列台の上に大量に積んだり、カゴに入れたりする。アクセサリーなどなら、木の枝に吊したり。また、大量に入荷したものの場合、箱積み・箱切りという方法で見せたりする。これは、商品の入った段ボールをそのまま積んで、一番上の箱だけ切って商品が見えるようにする方法である。“お得な商品だ”ということを演出している。

さらに、「新鮮さの演出」も大切なポイントである。特に生鮮食品は、新しいことを見せることができなければ、まったく売れない。魚は、下に氷をたくさん敷いたりするし、野菜などは元気な状態を保つために、一定時間ごとに霧吹きをしたりする。

季節商品は、その演出の仕方も大切である。初物が出始める頃には、商品そのものの演出だけではなく、POPなどによって、入荷したことをお知らせする必要がある。「初がつお入荷しました」「朝採りたけのこ」「冷やし中華始めました」など。

最後に、一般の人はあまり気づかない、ディスプレイの大切な要素のことを。「ゴールド・ライン」「ゴールデン・ライン」と呼ばれる、ある陳列場所のことである。

これは、人間の行動学・心理学から来ている。人間はモノを見る時、目線の高さから、腰の高さの間に目が行く。これが自然な行動なのである。この高さの陳列をゴールド・ライン、ゴールデン・ラインと呼ぶ。

低すぎたり、高すぎたりすると、見づらいし、手に取りづらいので、初めから目が行かなくなっている。そこで、このラインが重要になる。個人商店で自分が仕入れて来るのなら、売りたいモノをこのラインに陳列する。

だが、店に商品を置いてもらっている、メーカーの営業マンは違う。ちょっと場所が変わるだけで、売れ行きがまったく違ってくるのだから、必死になるのも当然である。

メーカーの営業マンが直接店を訪れ、店主にお願いするのである。また、小さな店に行き、陳列棚の整理を申し出て、勝手に自社の商品をこのラインに並べ替えたりする場合もある。それほど重要なラインなのである。

売る側から見て、売りやすいというのは、客側から見れば、わかりやすい、見やすい、探しやすい、と言えるのである。

商品に主張させるというのは、もっとも美しく見える状態で、もっとも美しく見える場所で、もっとも美しいことをアピールしてあげることである。これが、お見合いを成功させる秘訣である。

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2019年01月30日

商品選びではなく、商品創りを。

商品とは、店自体、経営者自身を表現する「主張」であり、観客である客の心に訴える「店の主役」である。

“これはいい商品だから置けば売れる”“安いから買ってくれる”という理由で仕入れをしていては、店の主張・主役にはなってくれない。儲かることだけを考えて品揃えをしても、大型店に勝てるわけがない。その店ならではの品揃えが必要なのである。

単に問屋で商品を選んで仕入れるのではなく、『商品創り』を考えなければならない。といっても、素材を仕入れて製造するということではない。商品をいくつか組み合わせたり、ちょっと加工したり、
小分けして販売する、ということである。客の立場で、商品を見つめ直す。売り方を考えるのである。

たとえば食料品店なら、鍋物用食材をセットにして販売している店もある。これにもっと個性を持たせるために、「秋田のきりたんぽセット」とか「岩手の芋煮会セット」など、地方の特色があるセットを販売すれば、客は興味を示してくれる。

また、米屋なら、普通は10キロ以上でないと配達しないところを5キロでも配達する。1キロ入りや2キロ入り商品を作り、高齢者宅に配達する。年寄りだけの家庭では、10キロの米はなかなか消費できないので、少量のものが欲しい。

少量を配達してもらうのは気が引けるという客のために、1キロ入り、2キロ入り商品の種類を増やす。これなら、気軽に買いに来てもらえる。

このように、組み合わせたり、加工、小分けするだけでも、それが店の個性となる。これが、商品創りということ。客の立場で、客の利便性を考えれば、商品創りは簡単にできる。

さらに、商品創りを深く掘り下げるためには、消費者の指向、つまり客の求める個性・時代性に合った商品を創っていくことが重要になる。

そこで、大切なことを5つ––––

●気軽さ

店の雰囲気も関係してくるが、高級品は別として、大切な商品だからと重々しく扱わないこと。客は、機能・性能ではなく、感覚的に買い求める傾向がある。気軽に入れて、気軽に買えることがポイントである。

●自己主張を満たす

自分自身が納得するものでないと買わない。消費の個性化・多様化と言われるものである。どんなに良いモノでも、必要なモノでも、自分の感性に合わなければ、手に取ることもない。メジャーよりマイナーを好む人間が多いことも忘れずに。

●精神的な満足感

量より質。安物より本物。欲しいと思うモノなら、わざわざ遠くまで出かける。高くても買ってしまう。

●新鮮さ

“旬”であったり、“産直”“朝一番”“いち早い新商品”“できたて”などのことである。単なる流行という意味ではなく、新鮮な感動が求められている。

●手助け

客の労働や時間、工程などが省略できるような手伝いのこと。家事を楽にする。届ける。これらによって、客を手助けする。

この5つを組み合わせた商品創りを考えることで、客が納得・満足する「店の主張・主役」となることができるのである。

みなさんが買い物や食事に出かけた時に、こんなことはないだろうか。“もっとこんな商品を置けばいいのに”“あんなサービスではダメだ”“店もこうすれば”。これは、みなさんが客の立場でモノを考えているからである。人のアラは見えやすいもの。ところが自分の店となると……。

「客の目線」を忘れなければ、客の求めるモノは見えてくる。

posted by 佐藤きよあき at 10:02| Comment(0) | マーケティング裏読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月23日

お客さまの目線で考える『CS経営』。

『CS』。Customer Satisfactionの略。カスタマーとは、利用者・顧客・お得意さまという意味。サティスファクションとは、満足・喜びのこと。日本語では、「顧客満足」という言葉でよく登場する。

25年ほど前だろうか。広告・販促関係の会社にいた私は、この言葉をよく“使わされて”いた。「お客さま第一」「顧客主義」「人がまんなかにいる」。その頃は新人だったので、文句も言えず、また言う術も知らなかったので、疑問に思いながらも一生懸命に使っていた。

考えてみて欲しい。当り前のことである。お客さまが満足する、など。どうしてわざわざ言うのか、と思っていた。

経済の転喚期だったのかもしれない。作るだけでは売れなくなって来たのだろう。だが、当時はどこも同じように言っていたので、単なる流行だったと思う。目新らしさが欲しかったのだろう。その流行にのって、当り前のことを声高に言うのがイヤだったのである。

最近は、誰も言わない。だが、経済の低迷するいまだからこそ、この考え方を見直さなければいけないのではないか。この当り前のことができていない。何も外に向かって言え、というのではない。考え方を徹底せよ、という意味である。

「顧客満足」。言い替えれば、「客の目線で考える」だが、この使い古された言葉が実践できていない企業・商店がどれだけ多いことか。大手企業・大型スーパーなどは、比較的できている。大きいだけに、多くの人がいて“気づく”ことや専門家などがアドバイスをしているからである。

できていないのは、中小企業・個人商店。“気づき”がない。「良いモノを売っているんだから」「安くしているんだから」と、客の満足度を知ろうとしていない。オーナーの力が絶大なので、その人のやることはすべて正しいとなる。ここに注意しなければならない。

客観的に、冷静に、自分の会社・店の評価を考えることが大切である。客が、自分たちの店や商品をどう見ているのかを知ることは難しいが、大型店や繁盛している店を見に行って分析することで、いろんな「顧客満足」が発見できる。

多くの個人商店のオーナーは、勉強もしないで、「不景気だ」とか「近くに大型店ができたからだ」と、売り上げの伸びない原因を外に求めて、自分を納得させている。これでは、潰れるのを待つだけである。『敵は外ではなく、内にいる』。

客がどう見ているかという情報は、入りにくいのは事実。特に、地域とのつながりが長い(深いではない)店だと、客は顔見知りなので、不満があっても文句を言わないことも多い。

この「文句を言わない」が、怖いのである。文句を言ってくれるということは、その客は、まだ自分の店に期待してくれているということの表われでもある。何も言わない人は、次回から利用しなくなるということである。苦情がないということを、客は満足していると捉えるオーナーは問題である。

どれほど心配りしているつもりでも、客は何らかの不満を持っているものである。この不満をいち早く解決することが、さらなるビジネスチャンスにつながるのである。

有名店や大型店だと苦情を言いやすい。この苦情を適確に処理できているところが、伸びている店なのである。

大型店・繁盛店が実践している『CS経営』を盗みに行こう。肌で感じてみよう。より多くの店を経験することが、『CS経営』への近道である。

個人商店のオーナーが、近くにできた大型店を見に行ってよく言うことは、「広すぎて商品がどこにあるのかわからない」「買いづらい」「店員とのふれあいがない」「人間味がない」。ならば、問いたい。あなたの店は本当にそれができているのか。

みなさんは、文句を言う前に、文句の聞ける店づくりに努めなければならない。それが、「顧客満足」『CS経営』なのである。

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2019年01月16日

お店の「顔」づくりは慎重に。

店舗の外観や店主も顔のひとつだが、ここでは、店名文字のデザインやシンボルマークのことをお話ししよう。

「店舗VI計画」などと難しく言うこともあるほど、重要なポイントである。VIとは、ビジュアル・アイデンティティの略で、企業や店が、自らのコンセプトを店名の書体やマークなど、視覚的なツールに反映させて、内外にアピールしようというもの。

つまり、店名の文字やマークは、店のイメージづくりはもちろん、競合より目立つための大切な経営資源だということである。

現在のように、モノによる差別化が困難になってくると、買い物の喜びとか、どんな店で買ったか、どんな店で飲食したか、というような店の“感性”が問われるようになる。

売り上げが落ちてきた店が、リニューアルとともに、ロゴ・マーク(シンボルマーク)を変えたら、
突然客が増えたということだってある。商品の中身を変えずに、パッケージを変えただけで、売り上げが倍増したということも。視覚的な要素が、店の繁盛を左右すると言っても過言ではない。

こういった考え方は、大手企業では当り前のようになっているが、個人商店ではまだまだ遅れている。良いモノを売れば、美味しいモノを出せば客は来てくれる、と考えている方も多いだろうが、そんな時代ではない。

絶対に他には負けない、という大きな自信があるのなら大丈夫だろうが、“そこまでは……”という程度なら、この「VI」をちゃんと考えなければならない。

お洒落な店で買った、粋な店で飲んだ、感じの良い店だった……というような『満足感』を与えることのできる店でなければ、いまの時代の成功はない。

そのためには、ロゴ・タイプ(文字デザイン)とロゴ・マーク(シンボルマーク)の重要さを認識しておくべきである。

店の外観や内観を決める際にも、この「ロゴ」をイメージの中心に持ってくることが大切。ストア・コンセプトをカタチにしたのがロゴなのだから、それが決まれば、他のことも自然に決まっていくのである。

そうは言っても、私はプロじゃないし、絵を描くことは苦手だし。どうすればいいの? と思われることだろう。

専門家に依頼するのが早道だが、金が掛かる。金を掛けてでも良いモノを創ることは大切だが、店のことを一番理解しているのは自分自身である。できれば、自分で考えたいところ。イメージの方向性だけでも、自分で考えておくべきである。最終的な仕上げだけをプロにまかせれば良い。

何をどうしていいのかわからない、という方へ。

自分が理想とする店、イメージが近い店、同じような商材の店を見て歩こう。そこの「ロゴ」を写真に撮るなり、メモしておいて、集めるのである。そのままマネするわけにはいかないが、方向性ぐらいは掴める。この段階で“こんな感じ”とプロに依頼することもできる。

だが、やはり自分で、落書き程度でもいいから考えてみることをお奨めする。結構楽しい作業だし、こだわることで、さらなる意欲につながるのではないか。

もうひとつ、ロゴを集める方法がある。大きな書店に行くのである。なければ、ネットで。「マーク・シンボル・ロゴタイプ」というような本が、いくつかある。4〜5000点のロゴが集められている。これを見て、イメージの近いものを探せば良いのである。

ただ、この手の本では、業種・業態はわかっても、店の雰囲気までは載っていないので、自分のイメージする店と合うかどうかを考えながら、方向性を探って欲しい。

プロに依頼するにせよ、自分で創るにせよ、途中で検討会を開こう。実際にターゲットとしている職種・年齢層・性別の人たちに見てもらい、反応を確かめるのである。

自分の考える店のイメージがもっとも伝わってくるデザインはどれか。自分ひとりで判断すると、単なる好みになってしまうから。

ここで判断してもらう基準は、

●時代性を持っているか。
●業種らしさを感じるか。
●店のオリジナリティがあるか。

などだが、一番大切なのは、

■客にこんなイメージで見られたい

という、しっかりとしたビジョンに沿っているかどうかである。これを目標に、最終的なデザインを決定する。

ロゴ・タイプ、ロゴ・マークは、看板だけではなく、包装紙やショッピングバッグ、帳票類、広告、名刺など、あらゆるところで、店の顔として登場する。それだけ、客の印象に残りやすいものだということを忘れないで、大切に考えて欲しい。

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2019年01月09日

空間の創り方・レイアウト。

客に来てもらう、愛される店にするには、どうすればいいのか。あなたなら、商品以外でどんなチェックポイントが浮かぶだろう?

●入りやすい●選びやすい●買いやすい
●雰囲気が良い●明るい……

漠然と、こんな言葉が出てくるかもしれない。だが、それをどう具体化するかが素人にはわからない。入りやすいとは、どういうことだ? 選びやすいとは?

店舗というのは、店と客とのコミュニケーションの場である。買い物や飲食を楽しんでもらい、生活提案などの情報を発信し、客からも情報を入手させてもらう場なのである。

そうあるためには、それなりの造りが必要である。客の感性に訴える空間づくり。

空間づくりには、大きくわけて2つの重要な要素がある。

■“この店に入ろう”と思ってもらえる店舗の外観。
■“この店で買おう”と思ってもらえる店舗の内観。

この2つ。
では、具体的に言うと---

まず、通りがかった客に店を認知してもらわなければならない。そのためには、店のデザインやカラー、名前、マークなどが、ストア・コンセプトに則って充分に表現されていることが大切である。

数ある店の中で、「個性」が光っていなければ、客は足を止めてくれない。“この店に入ってみよう”とは思ってもらえないのである。

個性の表現の次に考えるべき問題は、店の性格に合わせた「開放度」というポイント。開放度というのは、店の大きさに対して、出入口がどれくらいで、陳列がどれくらい、店内の見通し、商品に触れられるかなどの割合のことである。

基本的な条件から言うと、店の形状に対する間口と奥行きの関係を考えなければならない。あくまで原則だが、日常の使用頻度が高い商品を扱う店では、間口が広く奥行きの浅い店舗が良く、使用頻度の低い商品を扱う店では、間口が狭く奥行きが深い店舗が良い。

使用頻度が高い商品というのは、気軽に入れて、欲しいモノがすぐに見つかり、簡単に購入できることが大切。コンビニがまさにその典型。間口が広くて奥行きがあまりなく、しかもガラス張りで外から店全体が見渡せる。この気軽さが重要なのである。

逆に、使用頻度が低い商品というのは、最初からこれを見ようと気構えて入り、ゆっくりと探し、じっくりと見比べて、しかもショッピングを楽しみながら購入する。

こうした客のためには、間口が狭くて奥行きが深い店舗の方が良い。それは、人間は奥に入るほど落ち着くという心理があるから。高級ブティックやギャラリーなどがこの例である。

このように店の開放度は、何を扱っているか、どのように売っているかなどによって、適当な度合いで考える必要がある。

次に、出入口の問題。客を最初にお迎えする場所だから、細かな注意が必要である。「入りやすくて出やすい」。これが、なかなかできていない。

まずは出入口の位置だが、店舗にむかって右側に造る。これは、人間の行動が右から左へ流れて行く性質があるから。詳しくは専門家にまかせるが、これによって自然に店内を回遊してもらえるのである。

出入口の高さは、道路の高さと同じが良い。デザイン優先で高く階段状にしたりするが、これでは入りづらい。また、安全性の面でも、段差はない方が良い。

これらが、店舗の外観についての注意点だが、見た目というのが、どれほど重要かがわかってもらえるだろう。

それでは、店舗の内観について……。内観については、3つの要素がある。

●天井の高さ●床の形状●通路の幅

〔天井の高さ〕

天井が低いと、非常に圧迫感があり、買い物を楽しむ気にならない。できれば、2.7mくらいは欲しいところである。店の面積が小さいほど、天井は高く取る必要がある。もし、高くできないならば、高く見せる工夫をする。明るい色や照明を使ったり、天井に鏡を張ったり、一部に吹き抜けを造るなど。こうすると、圧迫感は少なくなる。

〔床の形状〕

まず段差はつけないこと。特に小さな店舗では危険なことと、客がそのことに気を取られて、商品から注意がそれてしまうことになる。ほんの一部、コーナーやステージを一段高くすることは、商品を演出する意味では有効だが。

〔通路の幅〕

人間は腰の位置で幅を感じる。よって、腰の高さで、動きやすい幅を確保する必要がある。理想は1.2m。この幅があれば、動くことを意識せずに、じっくりと商品を見てまわることができる。当然、動きを阻害する障害物があってはならない。流行っていない店では、よくダンボールがそのまま通路に積んであったりする。これは、問題外だが。


以上、店舗づくりのハード面について説明したが、やはり“見た目”というのは重要な要素である。どこの店も同じような商品を扱っている現在では、「入りやすい」「買いやすい」などに、きめ細かく注意することが大切である。売れる店は、これができている。

posted by 佐藤きよあき at 10:04| Comment(0) | マーケティング裏読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月02日

お店は、地域の人びとのために。

「地域の人びとに対して、どのように貢献するのか。社会の中で、どんな役割を果たせるのか」。これは、格好をつけているわけでも、建て前を言っているわけでもない。店を創る上での基本中の基本。絶対に忘れてはならないことである。

“自らの利益を優先する商売”“ひとりよがりの商売”をやっていては、地域の人びとからの支持は得られない。地域の生活者が望むモノ・サービスに応えることができてこそ、支持を得て、商売人として成功するのである。

客に喜んでいただくことが、自らの喜びとなるようにしなければならない。何度も言う。これは、格好つけでも、建て前でもない。

では、地域の人びとに支持されるためには、どうすればいいのか。

『どのように役立つのか』が、重要なポイントである。人間の欲求である「生活するための消費」と「楽しむための消費」の中のどの分野でお役立ちするのかを明確にする必要がある。

必要なモノを買うという「生活するための消費」については、品揃えや量で大型店には勝てない。だとすると、“+α”である「楽しむための消費」の分野で、役立つことが大切である。

それは、どういうものなのか。

 ●他にない商品
 ●他にない売り方
 ●他にないサービス
 ●他にない接客
 ●他にない雰囲気
 ●他にない店主の人間性
    :
    :
などである。これらのうちのどれかひとつでも徹底することができれば、地域の人びとに認められ、その噂は広まり、店の存在価値が保証される。もちろん、項目のいくつかを一度に実践できれば、申し分ないことではあるが。

さらに加えて、

 ■自然との調和
 ■環境との調和

を忘れるわけにはいかない。

自然との調和とは、自然や風土、気象条件に対応した商業活動のこと。と言うと難しくなるが、要するに、暑い日や寒い日、雨の日、雪の日などに、客はどのようなサービスを求めているかを考えることである。

雨や雪に濡れて入って来た客が喜ぶのは、乾いたタオルや温風機かもしれない。そんな細かな心配りを気づくかどうかが大切なのである。

環境との調和とは、地域性・施設・街並みとのマッチングのこと。これも簡単に言うと、街や近所の店・人にはそれなりのカラーがあるので、それに合わせようということ。あまりかけ離れた雰囲気では、調和が取れず、浮いてしまう。目立てば良い、というものでもない。

最後に、“地域の人びとのために”で忘れてはならない心得を。

地域で生き抜くためには、どのように客を固定化するかが問題である。「他にない〜」は当然のこととして、
モノ・サービスを売った後の「フォローアップ」「アフターサービス」に心を配ることを大切に考えなければならない。売ったらそれで終わり、ではない。売った時がスタートなのである。

初めての客には顧客カードを作らせてもらったり、売ったモノの不備はないかと電話をしたり、時にはご機嫌伺いをしたりすることが、いかに大切かを知ることである。そんなことをされて、イヤな思いをする客はいない。

商売は客との恋愛である。いつもその人のことを考え、声をかけ、時にはラブレターを書き、さまざまな手でアプローチする。誠心誠意尽くせば、必ず客に店を愛してもらえるのである。

気をつけたいのは、ストーカーにならないこと。このあたりの線引きが難しいのだが、やってあげたからと見返りを期待しないことである。

無償の愛なのである。

posted by 佐藤きよあき at 09:54| Comment(0) | マーケティング裏読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

品揃えは、時代の先読み。

消費者の購買行動を読むと、必要なモノを、便利なモノを、という欲求はすでに無くなろうとしている。「楽しそう」「面白そう」「気持ちよさそう」という感性や気分が優先されている。

これらをうまく商品と組み合わせることができれば、客に魅力を感じていただける。抽象的だが、これを具体的なイメージに置き換えることで、店づくりや品揃えを充実させることができるのである。

具体的なイメージとは……

客が「どんな時に」「どんなモノで」「どんな気分を味わえるか」というような生活場面を想定して、商品の選択、商品の見せ方、店の雰囲気を創り出していくことである。

たとえば———

■「朝食の時に」「高タンパク食品で」「元気な1日の始まりを」
■「オフィスで仕事中」「キャラクター文具で」「ちょっぴり遊び心を」
■「アフターファイブに」「セミナーで」「知的好奇心を満足させる」

など、客の生活を創造し、こちらから提案するのである。

そのためにやるべきことは、

●日頃の販売・接客において、客の嗜好を探り出すこと。
●客が興味を示すような雑誌やイベントに関する情報を集めること。
●繁盛している店はもちろん、繁盛していない店にも足を運び、
 その営業センスを読み取ること。

これらを実践し、客の生活場面をイメージしていくのである。そうすれば、揃えるべき商品が見えてくる。だが、この作業は一度やったら終わりというわけではない。

いま、商品のライフサイクルは非常に短くなっている。季節だけの商品入れ替えだけではダメ。常に新しいモノを求める客は、流行に敏感で、少しでも古くなったモノには見向きもしない。特に、ファッション、音楽の分野ではその傾向は顕著である。

食品でも同じことが起こっている。TVの情報番組で紹介された商品は、すぐにスーパーの店頭から消えてしまう。だが、ブームが去るとその商品は売れなくなる。

アンティーク家具が売れているのも「古いモノが良い」からではなく、“単なる流行だ”という面も多々ある。

発泡酒だってそう。価格の問題から売れ始めたものの、さまざまな種類が出てきて定着するかと思いきや、
焼酎ブームがきて、日本酒ブームとなっている。

米をもっと食べさせようと「米粉パン」が出てきた。小麦アレルギーの方にはいいのだが、何か間違っている。

そして次には……

このように、次から次に流行が変わる中で、どのように品揃えするかは非常に難しい問題である。

常に情報を先読みすると同時に、POSなどを導入して、いま何が売れているのか、その寿命はどのくらいかを把握することも必要になってくるだろう。コンビニがこの方法で成功している。

小さな店は在庫管理が大きな問題なので、POSが不可欠である。小さな個人商店で大きなシステム化はムリだろうが、きめ細かな管理で、少しでも近づけるように努力する必要がある。少在庫・高回転を目標に、商品の旬とライフサイクルを読み取る感性も磨かなければならない。

逆に、流行にまったく左右されない店の創り方もある。それなら、その方が楽じゃないか、と思われるだろうが、こちらの方が大変なのである。

流行を無視して営業するには、より専門性の高い店にする必要がある。ある商品に関しては、プロ中のプロでなければならない。

職人の世界に通じるものがある。少なくとも、知識だけでも右に出るものはいない、と言われるくらいになること。それだけ勉強もしなくてはいけないし、年月の積み重ねも必要となってくる。1年や2年でできることではない。

専門性の高い店を目指す方は、開店を焦らずにじっくりと知識を蓄えることをお奨めする。流行に敏感な店を目指す方は、「感覚」を磨くこと。本人自身にセンスが無い店は、品揃えにも店にもセンスがない。どちらの店も、自分磨きが大切だということである。

少しつけ足しだが、あまり繁盛していない店が陥りやすい失敗は、メインの商品だけでは売れないからと、関連商品を幅広く揃えてしまうことである。

それでは、スペースの問題などもあって、かえってメインの商品の選択肢が少なくなり、結局は印象の薄い、魅力の無い店になってしまう。

専門店は、より専門性を高める方が、印象の強い、特長のある店になる。専門性を高める中での「流行の取り入れ」をうまく行えば、その店はファンを増やすことができるのである。

posted by 佐藤きよあき at 10:27| Comment(0) | マーケティング裏読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする